無知の知恵(前編)

憶測をはたらかせるのは、わたしたち人間の常です。わたしたちは、いつもものごとを正確に認知できると考えがちです。しかし、まったくのお門違いであった ということもよくあるものです。もし、これが占星術家のはなしだとしたら、深刻です。チャートをちょっと見ているだけかも知れないのに、それで十分だと勘 違いしていることもあり得ることです。これでは、クライアントにとってかえって不利益です。クライアントは、似たようなチャートをもった人たちと一緒くた にされたくはないのです。クライアントは、先入観や憶測なしで、彼らがだれなのかをチャートからきちんと読み取ってほしいのです。

最近、いささか劇的でユーモラスともいえる体験をしました。
わたしが住むマウイ島の美しい地域をフィアンセのエリカさんとドライブしていたときのはなしです。マンゴーの葉の一部が茶色に変色して垂れ下がっているのに気がつきました。マンゴーの樹が生えているその斜面はすべて茶色に見えました。

マンゴー

わたしの頭は、マンゴーの葉が枯れてしまった理由について憶測し始めました。

「自然のバランスが崩れて木々が病んでいるのかも知れない」
「害虫に喰われているのかも知れない」
「だれかのせいかもしれない」
「地球温暖化現象の証拠に違いない!」

わたしたちはちょうど手つかずの美しい自然が残っている竹林と滝の部分を通過したばかりだったので、枯れたマンゴーを見て滅入ってしまいました。それに、 マンゴーはわたしの大好物です。いましがた通過した渓谷のマンゴーとのあまりの相違に、なにか問題があるに違いないと確信しました。そして、森林レン ジャーのところへ行き、問題のマンゴーの樹についてレンジャー隊員のひとりに聞きました。レンジャー隊員は私の顔を見て、おもわず吹き出してしまいまし た。

「あれは単なるマンゴーの新しい葉っぱだよ。毎年ああなるんだよ!」

教訓:知者は、ものごとに対して常に知らないという態度で臨むべし!

答えはこうだと決めつけてしまった瞬間から、わたしたちは真実を学ぶ機会を失ってしまいます。「疑問は知恵の始まりである」とは、ギリシャの格言です。禅 には、「自分が知らないということを知るのが知恵である。知らないのに知っていると思うのは、真実の前に立ちはだかる最大の障害です」という言葉がありま す。

同様に、ホロスコープを分析するとき、「おそらくそうかも知れないし、そうでないかも知れない」という姿勢で臨むべきです。憶測や仮説について「そうだ」と確信がもてるようになるまでには、チャートを真剣に分析し、多くの手がかりを得る必要があるのです。
S.Shimizu
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