デンゼル・ワシントン、オスカー受賞──動的分析
By Marc Boney, M.A., from the Jyotish-List Yahoo Groups Archives
サティシュと言う人からメールが送られてきました。わたしがアシュタカヴァルガを用いて、デンゼル・ワシントンがアカデミー賞を受賞するだろうと予測し適中させた事実(2002年)に関して、アシュタカヴァルガをどのように用いたのかをもっと詳細に教えてほしいという内容でした。ですから、そうしようと思います。
しかし、アシュタカヴァルガは単独ではなく、ダシャーの文脈のなかで理解すべきものです。シュリKNラオがかつて言いました。ブリハット・パラシャラ・ホラ・シャストラのなかでパラシャラがヴィムショッタリ・ダシャーの5つのレベルを開示したのにはそれ相応の理由がある、と。
1番目のレベルのダシャー: マハー・ダシャー
2番目のレベルのダシャー: アンタル・ダシャー
3番目のレベルのダシャー: プラティ・アンタルダシャー
4番目のレベルのダシャー: スークシュマ・ダシャー
5番目のレベルのダシャー: プラーナ・ダシャー
サティシュと言う人からメールが送られてきました。わたしがアシュタカヴァルガを用いて、デンゼル・ワシントンがアカデミー賞を受賞するだろうと予測し適中させた事実(2002年)に関して、アシュタカヴァルガをどのように用いたのかをもっと詳細に教えてほしいという内容でした。ですから、そうしようと思います。
しかし、アシュタカヴァルガは単独ではなく、ダシャーの文脈のなかで理解すべきものです。シュリKNラオがかつて言いました。ブリハット・パラシャラ・ホラ・シャストラのなかでパラシャラがヴィムショッタリ・ダシャーの5つのレベルを開示したのにはそれ相応の理由がある、と。
1番目のレベルのダシャー: マハー・ダシャー
2番目のレベルのダシャー: アンタル・ダシャー
3番目のレベルのダシャー: プラティ・アンタルダシャー
4番目のレベルのダシャー: スークシュマ・ダシャー
5番目のレベルのダシャー: プラーナ・ダシャー
出生時刻が正確で、分割図も正確だと信じる確かな理由があるとき、ダシャーとトランジットの関係を細かく調整するために過去のイベントを調べるプロセスに進むことができます。
ダシャーとトランジットの関係を細かく見ていくプロセスでは、トランジットの強さを調べる目的でアシュタカヴァルガを使用します。いまは亡き親友リチャード・フックは、「そうしないのは犯罪行為に等しい」とさえ言いました。
デンゼル・ワシントンの出生証明書によれば、彼は午前0時9分に生まれたとされています。過去の出来事に照らすと、4分遅い午前0時13分生まれに修正されます。主な理由は、そうするとダシャムシャ(D-10)のラグナが、乙女座から天秤座に変わるからです。


Denzel Washington's Natal Chart
この時刻修正が正確であるとします。そうすると、彼がオスカー賞を受賞したときのダシャーは、土星/土星/水星/土星/金星期になります。乙女座ラグナにとって、このダシャーを構成する惑星はすべてトリコーナのルーラーです。
デンゼル・ワシントンの5ハウスのルーラーである土星は高揚し、天秤座で定位置にある金星とコンジャンクトしています。
チャンドラ・ラグナ(月が在住するサイン)の山羊座から見ると、土星と金星のコンビネーションは、高揚するラグナ・ロードと定座のヨーガ・カラカが10ハウスでコンジャンクトする組合せです。これをみて、いける!と思いました。
トランジット分析
ゴチャラ(トランジット)については、パラディーピカのゴチャラという章に書かれてある原則に忠実にしたがうことにしています。そのひとつは、あるダシャーにおいて予測される出来事は、ダシャー・ロードのトランジットが引き金となるというものです。

Transits March 24, 2002 - night of the Academy Awards.
デンゼル・ワシントンのマハー・ダシャー、アンタル・ダシャー、プラティアンタル・ダシャーのそれぞれのルーラーである土星は、牡牛座をトランジットして いました。牡牛座は、ラグナの乙女座から見ると第9ハウスで、月が在住するチャンドラ・ラグナから見ると第5ハウスです。そこでアシュタカヴァルガの登場です。第9ハウス牡牛座のサルヴァアシュタカヴァルガは32ポイントで健全です(平均ポイント27~28を超えるポイントは良いと見なします)。しかし、牡牛座における土星のビナシュタカヴァルガはたったの2ポイント…。

Denzel Washington's Sarvashtakavarga (total points)
プラティアンタル・ダシャーのルーラーの水星は1ハウスと10ハウスを支配していますが、ラグナから見て6ハウス、月から見て第2ハウスの水瓶座をトランジットしていました。これだけをみると、あまりよい結果を期待することはできません。しかし、水瓶座のアシュタカヴァルガを見てみると、サルヴァシュタカヴァルガは33ポイント、水星のビナシュタカヴァルガは6ポイントもあります。
スクーシュマ・ダシャー・ロードだとわたしが信じる金星はどうかといえば、アカデミー賞発表当日、高揚点である魚座の27度から一度以内をトランジットしており、さらに魚座はケンドラ・ハウスの第7ハウスでもありました。もっとも、魚座のアシュタカヴァルガのポイントはそれほどでもありませんが。
上記に述べたように、ダシャー・ロードのトランジットを検討すると、なかなかいい線いってるのではなかと思うのです。
木星のトランジット
つけくわえるなら、木星はダシャーには関係していません。しかし、大吉星である木星のトランジット分析は、このような重大イベントの分析には欠くことがで きません。木星は、第10ハウスをトランジットしており、イベント当夜(3月24日)、木星は第10ハウスのルーラー水星に2度の差でアスペクトしていま した。これにはさらに勇気ずけられました。
月のトランジット
そして月です。月は一番速い惑星なので、月のトランジットはもっとも微細に時刻を調整する働きをします。シュリKNラオは『Planets and Children』のなかで、月のトランジットを用いて72時間以内の範囲で子供の誕生を予測する技法を母親から学んだと記しています。
デンゼル・ワシントンは、月が蟹座をトランジットしているときにオスカー賞を受賞しました。蟹座は、定位置であると同時に名誉と表彰の第11ハウスです。 月は、蟹座で高揚する木星の上を通過したばかりでした。木星の上を月が通過することで、ガージャケーサリ・ヨーガが活性化されました。
しかし決定打は、アシュタカヴァルガです。蟹座のサルヴァシュタカヴァルガのポイントは28で普通ですが、月のビナシュタカヴァルガは7ポイントで高得点です。

Denzel Washington's binnashtakavarga for the Moon
月のトランジットは最終段階の微細レベルの予測に役立てるものですが、デンゼル・ワシントンのオスカー受賞に限っていえば、それが決定打だったような気がします。
ダシャーを高次レベルで分析するとき、下記の3ポイントを念頭におくべきです。
①出生時刻の精度
②アヤナムシャ
③ダシャー・イヤーの長さ
いうまでもなく、②と③はジョーティシュの世界でも人によって意見が分かれる問題です。各自がしっかりと検討したうえでなにを採用するかを自分で決めなければいけません。
わたしはチトラパクシャアヤナムシャ(chitrapaksha ayanamsha、つまりラヒリのアヤナムシャ)と365.25日ダシャー・イヤーを採用しています。10年を超える自らの研究を踏まえても、それらが唯一みなさんに推薦できる選択肢です。
ダシャーとトランジットの関係を細かく見ていくプロセスでは、トランジットの強さを調べる目的でアシュタカヴァルガを使用します。いまは亡き親友リチャード・フックは、「そうしないのは犯罪行為に等しい」とさえ言いました。
デンゼル・ワシントンの出生証明書によれば、彼は午前0時9分に生まれたとされています。過去の出来事に照らすと、4分遅い午前0時13分生まれに修正されます。主な理由は、そうするとダシャムシャ(D-10)のラグナが、乙女座から天秤座に変わるからです。


Denzel Washington's Natal Chart
この時刻修正が正確であるとします。そうすると、彼がオスカー賞を受賞したときのダシャーは、土星/土星/水星/土星/金星期になります。乙女座ラグナにとって、このダシャーを構成する惑星はすべてトリコーナのルーラーです。
デンゼル・ワシントンの5ハウスのルーラーである土星は高揚し、天秤座で定位置にある金星とコンジャンクトしています。
チャンドラ・ラグナ(月が在住するサイン)の山羊座から見ると、土星と金星のコンビネーションは、高揚するラグナ・ロードと定座のヨーガ・カラカが10ハウスでコンジャンクトする組合せです。これをみて、いける!と思いました。
トランジット分析
ゴチャラ(トランジット)については、パラディーピカのゴチャラという章に書かれてある原則に忠実にしたがうことにしています。そのひとつは、あるダシャーにおいて予測される出来事は、ダシャー・ロードのトランジットが引き金となるというものです。

Transits March 24, 2002 - night of the Academy Awards.
デンゼル・ワシントンのマハー・ダシャー、アンタル・ダシャー、プラティアンタル・ダシャーのそれぞれのルーラーである土星は、牡牛座をトランジットして いました。牡牛座は、ラグナの乙女座から見ると第9ハウスで、月が在住するチャンドラ・ラグナから見ると第5ハウスです。そこでアシュタカヴァルガの登場です。第9ハウス牡牛座のサルヴァアシュタカヴァルガは32ポイントで健全です(平均ポイント27~28を超えるポイントは良いと見なします)。しかし、牡牛座における土星のビナシュタカヴァルガはたったの2ポイント…。

Denzel Washington's Sarvashtakavarga (total points)
プラティアンタル・ダシャーのルーラーの水星は1ハウスと10ハウスを支配していますが、ラグナから見て6ハウス、月から見て第2ハウスの水瓶座をトランジットしていました。これだけをみると、あまりよい結果を期待することはできません。しかし、水瓶座のアシュタカヴァルガを見てみると、サルヴァシュタカヴァルガは33ポイント、水星のビナシュタカヴァルガは6ポイントもあります。
スクーシュマ・ダシャー・ロードだとわたしが信じる金星はどうかといえば、アカデミー賞発表当日、高揚点である魚座の27度から一度以内をトランジットしており、さらに魚座はケンドラ・ハウスの第7ハウスでもありました。もっとも、魚座のアシュタカヴァルガのポイントはそれほどでもありませんが。
上記に述べたように、ダシャー・ロードのトランジットを検討すると、なかなかいい線いってるのではなかと思うのです。
木星のトランジット
つけくわえるなら、木星はダシャーには関係していません。しかし、大吉星である木星のトランジット分析は、このような重大イベントの分析には欠くことがで きません。木星は、第10ハウスをトランジットしており、イベント当夜(3月24日)、木星は第10ハウスのルーラー水星に2度の差でアスペクトしていま した。これにはさらに勇気ずけられました。
月のトランジット
そして月です。月は一番速い惑星なので、月のトランジットはもっとも微細に時刻を調整する働きをします。シュリKNラオは『Planets and Children』のなかで、月のトランジットを用いて72時間以内の範囲で子供の誕生を予測する技法を母親から学んだと記しています。
デンゼル・ワシントンは、月が蟹座をトランジットしているときにオスカー賞を受賞しました。蟹座は、定位置であると同時に名誉と表彰の第11ハウスです。 月は、蟹座で高揚する木星の上を通過したばかりでした。木星の上を月が通過することで、ガージャケーサリ・ヨーガが活性化されました。
しかし決定打は、アシュタカヴァルガです。蟹座のサルヴァシュタカヴァルガのポイントは28で普通ですが、月のビナシュタカヴァルガは7ポイントで高得点です。

Denzel Washington's binnashtakavarga for the Moon
月のトランジットは最終段階の微細レベルの予測に役立てるものですが、デンゼル・ワシントンのオスカー受賞に限っていえば、それが決定打だったような気がします。
ダシャーを高次レベルで分析するとき、下記の3ポイントを念頭におくべきです。
①出生時刻の精度
②アヤナムシャ
③ダシャー・イヤーの長さ
いうまでもなく、②と③はジョーティシュの世界でも人によって意見が分かれる問題です。各自がしっかりと検討したうえでなにを採用するかを自分で決めなければいけません。
わたしはチトラパクシャアヤナムシャ(chitrapaksha ayanamsha、つまりラヒリのアヤナムシャ)と365.25日ダシャー・イヤーを採用しています。10年を超える自らの研究を踏まえても、それらが唯一みなさんに推薦できる選択肢です。