深く傷ついた惑星の正体は? ─その1─

マーク・ボウニーの記事です

ホロスコープに現れるすべての徴候には吉凶両方の意味があります。だから、占星術家はかたよった見方をせずバランスよくホロスコープを見る必要があります。しかし、実体が見た目と大きくかけ離れた場合、そう簡単に問屋は卸してくれません。

最近、そのようなケースに出会いました。

Penelope
ペネロープ(女優のペネロープクルズとは違います)の月は、一見するととても深く傷ついているように見えます。彼女の月は、第7ハウスに在住し、第一級凶星の土星とラーフと接合、しかもそこは蠍座で月の減衰サイン。しかし、彼女の月にはほかにも見るべきところがあります。

これらの要素だけに視線を注ぐなら、あなたは減衰ということばに煙を巻かれてしまうでしょう。この「魔性の女(femme fatale)」は、複数の顔をもつ二重スパイです。化けの皮をひとつはがしても、その奥からはまた別の顔が現れてきます。だまされてはいけません。実 は、彼女は世間でいわれるほどアバズレではありません。わたしがこれから仮面をひとつずつ剥がしていきます。そして、その奥に彼女が隠したがっている良い 側面にも光りをあててみましょう。

Humphrey Bogart and Lauren Bacall
Humphrey Bogart and Lauren Bacall

では皆さんご存じの映画でちょっと遊んでみましょう。

1930年代の白黒映画「カサブランカ」の一場面です。天井に吊された裸電球がひとつ、殺風景な部屋をぼんやり照らしている。部屋の中央には、女性がひと りうなだれて座っている。彼女が、ペネロープのホロスコープの月を演じるローレン・バコール。ときおり彼女はドアの方にそっと視線を送っている。額には汗 がにじんでいる。スチール・チェアの座り心地が悪いのか、脚を何度も組みかえている。

そこへハンフリーボガードが演じるややKYなヴェーダ占星術師(ジョーティシ)が入ってくる。手には、手垢で黒ずんだ聖仙パラシャラの古典『ブリハット・ パラシャラ・ホラ・シャーストラ』を携えている。二人はちらっと視線を交わし、互いに品定めをし、部屋は緊張に包まれた。彼女の唇は、薄い笑みを浮かべた かと思うとすぐに冷笑に変わった。

:「それであなたは、他のジョーティシ(占星術師)とおな じように、わたしがアバズレだといいたいのね?あなたたちはいつだってそうだわ?いいわ、それならよけいな手間をとらせないわ。そうよ、わたしはアバズレ よ。そんなことあなあたちにいわれるとっくのまえから知っていたわ」

ジョーティシ:「ひとつふたつ質問させてくれないか、お嬢さ ん」(ため息で少し間があく)「ところで、辛い方法でいこうか、それとも楽な方法にしようか・・・お嬢さん。あんたが協力さえしてくれれば、だれも傷つか なくてすむ。すべてお嬢さん次第ってことさ。俺は、ただあんたがおれの質問に答えてくれればいいんだがね」

:「いいわよ。なにも隠すことなんかないわ」(あざけるように)「いっておくけど、脅したってあたしにはきかないわよ」

ジョーティシ:(するどく)「そいう口のきき方は、1階のガキに向かってしな。じゃあきくけど、あんたはいったいだれなんだ?」

:(たいくつそうに)「あ~ら、そんなことご自分でおわかりにならないの、占星術師さん?わたしは減衰し、深く傷ついた月なのよ。見てわからなくって?」

ジョーティシ:(冷たく)「そのとおりだな。しかしそれ以外にも隠していることがあるんじゃないのか?」

ジョーティシ:「ひとつ質問をさせてくれないか、お嬢さ ん」(ため息で少し間があく)「辛い方法でいこうか、それとも楽な方法にしようか・・・お嬢さん。あんたが協力さえしてくれれば、だれも傷つかなくてすむ んだ。すべてお嬢さん次第さ。俺はただいくつかの質問の答えを知りたいだけなんでね」

:「いいわよ。なにも隠すことなんかないわ」(あざけるように)「いっておくけど、脅したってあたしにはきかないわよ」

ジョーティシ:(するどく)「そいう口のきき方は、一階のガキに向かってしな。じゃあきくけど、いったいあんたはだれなんだ?」

:(アクビをしながら)「あ~ら、そんなことご自分でわからないの、占星術師さん?わたしは減衰し、深く傷ついた月なのよ。見てわからないの(↑)?」

ジョーティシ:(冷たく)「そのとおりだな。しかしそれ以外にも隠していることがあるんじゃないのか?」

:(驚いてみせるように)「あ~ら、何をいっているのかしら。なんでそうやってわたしの顔を見るの?わたしは減衰した女よ。それ以外のなにものでもないわ。アバズレだからといって、わたしをずっとここから出さないつもり?」

ジョーティシ:(頭を横に振りながら)「俺もまったくこんなことになるとは思っていなかったぜ。しかしおあいにく様だな。俺には他に選択肢がないんでね」

ジョーティシは、見当が思いつかないという表情を浮かべ、背中に手を組みながら月のまわりを回り始めた。
そして突然、月ににじりよって大声でいった。

ジョーティシ:「実はあんたは、マハーダシャーやアンタラダシャーではきわめて良好な結果を発揮することがあるんじゃないですか?」

:(あざけるように)「ハハハハ、わたしのような女が?冗談は休みやすみいってよね。だれだってわたしがアバズレだって知ってるわ。まともな占星術師なら、わたしのことなんかに二度と気をかけたりなんかしないわ」

ジョーティシは指を舐めながらパラシャラの古典をゆっくりめくりはじめた。
女の顔にはどことなく不安げな表情が浮かんだ。

ジョーティシ:「これはおもしろい。月は明るければ明るいほど吉意が強まると書いてある。俺が見るかぎり、あんたは満月をすぎてまだ数日しかたっていない」

:(怒り開き直って)「そうよ、わたしは明るいのよっ、そ れがどうかしたの?明るい女なんていくらでもいるわ!だからってなにかわかったようなフリしないでよ。それだけでアバズレをやめたりなんかしないわ。それ より、わたしにつきまとっている薄気味悪いヤツら(土星とラーフ)のこともちゃんと見てよ」(ニヤニヤ笑いながら)「それがあなたのいいたいことすべて? だったらわたしの勝ちね」

ジョーティシ:(ゲームを楽しんでいるかのような笑みを浮かべて)「そう、あんたの勝ちかも知れない。でも、その前にもう少し答えてくれないか」(やさしく)「お嬢さん、『ニーチャバンガ』って聞いたことないですか?」

「あっ」という声が聞こえた。が、女はすぐにそれを取り繕うとしていた。

:「えっ、ニーチャバンガ?ニーチャバンガ?えーと、いいえ、いいえ。そんなことば聞いたことなんかないわよ」(落ち着きを取り戻そうと厚かましく微笑んで)「ニーチャバンガって、ひょっとしてお金持ちの殿方なの?」

ジョーティシはちょっと無理して笑みを浮かべた。
月が椅子で不安そうに悶えているあいだ、彼はパラシャラの古典をまた開いた。

ジョーティシ:「ああ、そうですか。しかし、あんたがニーチャバンガを知らないはずはないんだが。。。あんたはニーチャバンガとはかなり親しい関係にあるはずなんだが」(突然別の話題に振るかのように)「あっそういえばお嬢さん、あんたは牡牛座で高揚するんですよね?」

:「そうよ、知らなかった?」

ジョーティシ:「牡牛座は金星が支配してる。そうですよね?」

:「なんのこと?」

ジョーティシ:「金星はこのチャートではラグナからみてケンドラにありませんか?つまり第1ハウスに金星があって、それはあんた(月)がいるサインからみると第7ハウスでもある。違いますか?」

(なにかを疑いながら):「そ、そうね。でもそれがどうしたの?」

それには答えず、ジョーティシはいったん彼女に背を向けて歩き始めた。
そして突然振り返り、顔を彼女の顔に数センチの距離にまで近づけ強い口調でいった。

ジョーティシ:「あんたは嘘をつきだ。あんたはニーチャバンガのことをよく知っている。ニーチャバンガは、あんたの減衰を二重にキャンセルしている。それは、あんたを見かけよりもずっと良くしている!もういいかげん見え透いた嘘はやめたらどうですか?」

女は無智を装うのを止めはしたが、保身の態度を変えようとせず、席を立って背を向けた。

(毒々しく):「そうよ、あなたのいうとおりよ!でも、2つくらいキャンセルがあるからといって、嫌われもんの女がまったく別人になれるわけはないでしょ。それはあなたもご存じのはずだわ!」

ジョーティシ:(平静を保ちながら)「そう、そのとおりだ」
S.Shimizu
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