ナチュロパシー(自然療法)

清水がデリーで書いています。

   
Kaya_Kalpa_全景

東南アジアから帰ってきてすぐの20日にナチュロパシー(自然療法)の病院「カーヤー・カルパ」に入院した。土日は授業があるので、一度退院して再度チェックインし直したものの、10月1日までのあいだに延9日間入院していた。

入院当初、頭痛があった。
夜、なかなか寝つけなかった。
血圧が高かったらしい。

しかし、治療の開始とともに頭痛はおさまっていった。
四日目にはまったくなくなった。
体重も、毎日0.5キロずつ減り続けていった。

そして退院時、血圧は正常値に戻り、体重は5キロも減っていた。
(そんだけ余裕があるってことなんだけどね)
   
昨年末、インドに来るなり南インドはコーチンのアーユルヴェーダの病院に3週間入院した。
目的は全身のオーバーホールだったが、発症していた喘息の症状が二日でなくなった。
その報告はこのAstroDiaryにも書いた。

Ayurveda_complex 
コーチンにあるアーユルヴェーダの病院

今回はナチュロパシー(自然療法)である。

Kaya_Kalpa_病棟   
病棟連

Kaya_Kalpa_治療棟   
治療棟


今回の症状は冒頭に書いたとおり「頭痛」と「高血圧」。

アーユルヴェーダと違ってナチュロパシーでは薬を一切使わない
使うのはお湯だけ。
人手も少なくて済む。

だから、安い!

アーユルヴェーダの病院はハーブやオイルをたっぷり使用し、2~3人で全身をマッサージするので入院費が割高になる。
ふつうのインド人には手が出ない。

私がアーユルヴェーダの病院に去年入院したとき、施設を利用していたのは、 
①お金持ちのインド人
②外国在住のインド人
③外国人(英国人、ドイツ人、ロシア人、日本人)

であった。

ふつうのインド人の利用者は、むしろめずらしかった。

アーユルヴェーダは世界を救う!」と喧伝して騒いでいるのは、お金持ちの欧米先進国だけだ。
肝心のインドはといえば、いまひとつ???なのである。
アーユルヴェーダがよさそうなのはわかるが、ちと高くてねぇ
というのがインド人の本音だ。

しかしナチュロパシーなら、アーユルヴェーダの数分の一の費用で済む。
だから、ふつうのインド人でもなんとか手が届く。

利用者はみな地元のインド人だ。

途中で一度退院してSh.K.N.ラオ宅を訪れたとき、見た目にもスリムになって帰ってきた私を見て、Sh.K.N.ラオの弟スバー・ラオは、この病院に夫婦で入院することを決めた。
夫のスバー・ラオは喘息を患い、妻は膝を痛めていた。
病状が慢性化し、いい病院を探しているところだった。

数年前、アーユルヴェーダの病院でトリートメントを受けたとき、その病院についてスバー・ラオにはなしても彼はあまり興味を示さなかったが、今回はすぐに乗ってきた。

そう書くと、患者でごった返しているように聞こえるかも知れない。

たしかに患者は適度に入れ替わっている。
しかし、どちらかといえば、病院全体のキャパシティーに比べるとスカスカじゃないかな。
混んでいるときで10名くらい、退院する時には入院患者は7名しかいなかった。

まあ、広告宣伝していないのでそんなもんだ。
みんな口コミや噂を聞いてやってくる。
僕もそうだった。

トリートメントは、泥パック、水風呂、お湯風呂、スチーム風呂、マッサージなどが主である。
トリートメントが一日に3度もあり、その間に食事がある。
早朝は6時からヨガ・クラスもあるし、夕方はヒンディー語だがナチュロパシーの講義もある。
結構忙しく過ごせる。

Kaya_Kalpa_治療室

治療フロア(男性用)

Kaya_Kalpa_水風呂


ヨガの先生は、ドクターのラグヴァン・シンがやっている。
このドクター、エネルギッシュで百面六ぴの活躍なのだ。
どの組織でもいえるが、スーパースターがひとりいるかないかで組織の活性度は大きく違う。

Kaya_Kalpa_シン医師
ドクター・シン

Kaya_Kalpa_シン夫婦 
ドクター・シン夫婦
妻もドクターだ


初日のトリートメントは、横になって露出させた腹部に泥のパックを乗せて15分ほど休憩するだけだった。
こんなんで効くんかいな?と思いながらもやっていったが、血圧は下がっていった。

やがて、水風呂に腰まで10分間浸かったり、お湯に腰まで10分間浸かったりした。
そのうち、蒸し風呂に入ったり、停電で泡のでないジャグジー(たんなる水風呂の全身浴)にはいったり。
バリエーションが増え始めた。

圧巻はなんといっても全身の泥パックである(左下:私じゃないからね)。

Kaya_Kalpa_全身泥②  
全身の泥パック

Kaya_Kalpa_あだも  
あだもちゃん


泥を全身にくまなく塗り、炎天下で日干しを命ぜられる。

パンツ一丁で全身に泥を塗りまくると、ちょっと古くて恐縮だが、まるでたけちゃんマンに登場する「あだもちゃん」になったような気分になる。
あ、だ、も、ちゃん、でーすっ!
とおどけてみたくなる。
でも、その瞬間
ひょっとしてドッキリだったりして???
と思ったり。

なんかやばい感じがするけど、けっこう愉快愉快、なのだ。

30分くらいすると全身の泥がカラカラに乾く。
泥が皮膚の表面を引っ張る。
泥は、皮膚表面の老廃物質も取り除く。

その段階で、消防ホースで水をぶっかけられる。
そうやって全身の泥を落とす。

豪快気分爽快

もっとも、これは男性の話である。
女性の場合はこういうことはないだろうけど(おそらく)。

初めてこの全身泥パックのトリートメントを受けたとき、まだ昼なのにころっと眠り込んでしまった。
数年間経験したことがなかったほどのふか~い眠りに落ち込んだ。
目覚めは、スッキリだった。

効果の高いトリートメントだった。

トリートメントとあわせて重要なのが、食事療法である。
昨年受けたアーユルヴェーダの病院との違いは、この食事にも現れていた。

昨年受けたアーユルヴェーダの病院にはレストランがあり、なんでも好きなものを食べることができた。
もちろんメニューはすべてベジタリアンだったが、カロリーが高めの食事が多かった。
だからあまり減量はできなかった。

しかし、ここカーヤー・カルパでは、食事のメニューまでドクターと相談して決める。

今日からチャパティを抜きましょうね」とか。

食事はごらんの通りサラダとサブジ(野菜の煮物)だけ。

Kaya_Kalpa_食事② 

タンパク質炭水化物はほとんど摂らなかった。
最終日になってようやくチャパティが出てきたくらいだった。

しかし不思議なことに空腹感はなかった。

ストレスがないので、まったく空腹を感じないのだ。
だから体重はコンスタントに毎日0.5キロずつ減っていった。

逆にいえば、普段のストレスがよほど高いかを思い知った。

たしかに家のまわりはスラムだ。
家の真ん前にはゴミ貯めがあって悪臭を放っている。
窓を開けると、その悪臭が部屋の中に入ってくる。
家の前には幹線道路もあり、ごった返す車はクラクションを鳴らし続けている。
それに、この夏はインド人もビックリするほどの酷暑だった。

あ~、また血圧が上がりそう…。
デリーでの生活にほとほとくたびれているのだ。

さて、気を取り直し、元気を出して、病室についても説明しよう。

ごらんの通り質素だが清潔な病室である。
気になるトイレだが、清潔で常時お湯が出た。
バスタブはない(治療でしょっちゅう風呂に入るからいらない?)。
ベッドが2つあるが、個室として独り占めしていた。

Kaya_Kalpa_病室    
病屋

Kaya_Kalpa_トイレ    
病室のトイレ


トリートメント、食事、宿泊代すべて込みで、一泊なんとたった500ルピー(10月2日時点の換算レート:1ルピー = 2円)である。

アーユルヴェーダの病院だと個室に泊まるだけで1,000ルピーかかる。
それにマッサージオイル、薬、施術費等を入れると、さらに1,000ルピー以上かかる。
これに比べてナチュロパシーのなんと安いこと。
四分の一だ。

ところでこうやってインドでいわゆるナチュロパシー(自然療法)を受けてみると、そういえば日本にも似たようなものがあったなぁ、と思い至る。

湯治(とうじ)である。
湯治もれっきとした、日本が世界に誇る先駆的ですぐれたナチュロパシー文化のひとつであろう。

いまの日本の温泉業界は高級路線に走っている。
そうしないと採算がとれないというのもあるのだろう。
しかし、もとはといえば温泉はいずれも湯治が目的だったはずだ。

湯治となれば最低1週間以上の連泊が必要だ。
温泉宿の宿泊費がもっと安くならないと、庶民は湯治目的で温泉を使うことができない。

医療負担が天文学的な数字になり、医療制度は崩壊寸前、国家も破産寸前である。
対策として予防医学の重要性が叫ばれている。
湯治は、その観点からみても解決策のひとつとして有効ではないかと思う。
そう、温泉医療の推進、というか見直しである。
そういう施策が、国家レベルであってもいいのではないか。
内需拡大にもつながるし。

しかし、そうなると温泉普及や湯治研究を目的とした独立法人がまたたくさんできて、役人がまた天下って税金を無駄使いし、いろいろ規制の網を張り巡らすのが目に見えている。

やはりそういう運動は草の根でやらなければだめなのだろうか。
しかしそれではなかなか進まないだろう。

まずは官僚支配というこの国家の仕組みを変えることが何事にもまして優先なのだ。
やっぱり最後はこういう結論になってしまう。

そうなると、なんとしても鳩山政権にがんばってもらうしかないのだが…。



※この「カーヤー・カルパ」でトリートメントを受けてみたいと思う方は、私にこの施設を紹介してくれたニティンさんに連絡してください。
なお、カーヤー・カルパは質素で飾り気のまったくない施設です。せっかくの海外旅行なんだからちょっと贅沢を味わってみたいという方には向かないと思います。


連絡先: ニティン・グプタのHP http://nitin.web.fc2.com/f1.htm

S.Shimizu
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