もうひとつの占星術詐欺 - アメリカ編

占星術詐欺についてエントリが続いた。

で、考えてみた。
占星術詐欺には二種類あるんじゃないかと。

ひとつは①相談者に対する詐欺。
もうひとつは②学習者に対する詐欺。

これまでのエントリは①の詐欺がおもだった。
今回は②の詐欺についても書いてみようと思った。

じつはShr.K.N.ラオからは、①の詐欺だけでなく、②の詐欺についても折に触れて私ははなしを聞いていたのだった。
    
②の詐欺とは、たとえばパランパラ(血脈相承)の継承者を名乗り、生徒を募集し、一見それらしいが実はあまり使えない占星術を教えるような行為である。

名前はあえて出さないが、いまアメリカではパランパラの継承者を名乗る某インド占星術家、「○○大先生」のもとに多くの有名どころのヴェーダ占星術家が集まっている。

その「○○大先生」はインド人なのだが、彼には叔父がいる。
その叔父は、じつはShr.K.N.ラオのもとに何度も鑑定してもらいに来ていた。

あるとき、Shr.K.N.ラオのもとに鑑定してもらいに来ていた叔父に、その場に居合わせたマノジ・パタックが訊いた。
「なぜ甥(おい)に看てもらわないのか?」
彼は答えた。
「あいつは占星術のことなんかなにも知らない」

その「○○大先生」の父親はエンジニアだった。
祖父はというと、その「○○大先生」がまだ10代半ばだった頃に亡くなった。

じゃあその「○○大先生」、いったいいつだれからパランパラ(血脈相承)を継承したのだろうか。

しかし、そういうはなしはインドにはいっぱいある。
いや、インド人の行くところどこにでもある。
驚くに値しない。

いまやインド人は世界中どこにでも居を構えている。
そのなかには、「祖父から習った」といってはパランパラの継承者を自認する者もいる。
そして、その土地で特別の地位・存在に納まり、グルを演じる。
たくましいではないか。

こんなはなしがあった。

Shr.K.N.ラオも、90年代、アメリカを訪れていたとき、こう誘われたことがある。
「(肌は)褐色だし、英語もうまいし、はなしもおもしろいし、サンスクリットも解する」
「どうだ、ここ(アメリカ)でグルにならないか?」
Shr.K.N.ラオはもちろん言下に断った。

「インド人が演じるグル
それは、欧米のスピリチュアル・シーンで確実に成功できるビジネス・モデルのひとつである。

アメリカではやることはいずれ日本でもはやる
日本におけるインドのプレゼンスも近年高まりつつある。
まもなく日本に常駐するインド人グルがたくさんでてくるだろう。
なかには本当のグルもいるかも知れないが、演じているだけのグルも出てくるだろう。
これは私のプレディクションである。

Shr.K.N.ラオはいう。
パランパラの伝統は植民地時代、英国の英語教育の導入によってほとんど根絶やしにされた」
「いまパランパラの継承者を主張するインド人がいたら、十中八九詐欺師だと思っていい」
「インドを裏切るのはいつもインド人自身である」

だから、パランパラに属すると名乗り、生徒を募り、グルを演じ、一見それらしいが実はテキトーなことを教え、生徒を混乱の淵に陥(おとしい)れる。
それも、占星術詐欺の一種といえないことはない。

で、その「○○大先生」だが。

結局、何人かは結果が出ないとして、その「○○大先生」のもとを離れた。
そして、Shr.K.N.ラオの門下に下った。
Shr.K.N.ラオが発行する占星術季刊誌『ジャーナル・オブ・アストロジー』には、彼らからShr.K.N.ラオに宛てたメールのいくつかが載っている。

「やっぱりラオ先生のいうことが正しかったでーす」
そんなことが書いてある。

しかし私の知るあるアメリカ人の先生は、まだその「○○大先生」のもとで「がんばって」いる。
私はそのいきさつを知っている。
だからちょっと気の毒な気がしている。
しかし、いくところまでいかないと本人もわからないのだろう。
そう思ってあきらめている。

昨年10月、ポールはこういった動きを案じ、Shr.K.N.ラオに会いに来た。
そしてShr.K.N.ラオに懇願した。

「もう一度アメリカに来て指導してもらえないでしょうか」
「そうしないとアメリカのヴェーダ占星術はとんでもないところにいってしまいます」

これをShr.K.N.ラオがあっさり断ったことは、ずっと前のエントリに書いたとおり。

アメリカではインド占星術による詐欺が横行している。
ひとつは救済法による①の詐欺。
もうひとつはこのパランパラの継承者を名乗るグルたちによる②の詐欺である。

しかしいずれも、アメリカ人自身が招いたようなものである。
あるいみ自業自得である。
アメリカが自浄作用を発揮して自分自身の力で立ち直る。
そのときまで、Shr.K.N.ラオはアメリカに行くことはない。

Shr.K.N.ラオの回答はそういうことだと、私は理解した。
それまで、ボーン・ポールとマーク・ボウニーの孤軍奮闘は続く。

(つづく)
S.Shimizu
Calender
<
>
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 78
9 10 11 12 13 1415
16 17 18 19 20 2122
23 24 25 26 27 2829
30 31 - - - - -

全記事

Designed by 石津 花

Archive
no. of Visitors
検索
最新コメント
リンク
只今の訪問者数
現在の閲覧者数: