もうひとつの占星術詐欺② - インド編

デリーで清水が書いています。

アメリカに続いてインドについても書いておこう。

アメリカなら、インド人であればパランパラを継承するといってグルを演じることが比較的かんたんである。
そして、グルとして有名になれば圧倒的な集客パワーを手にすることができる。
これがグルを演じさせる最大の動機だ。

しかし、インドではそう簡単にいかない。

インドでは、テレビを見ればたくさんのチャンネルにグルたちが出てくる。
聴衆を前にして説法を垂れるグルたちを、テレビは四六時中流している。

石を投げればグルに当たる。
「アイタッ」
そういうお国柄である。
(だれだ? グルに石を投げたのは!!)

グルというのは一般には宗教家の師匠をさすが、占星術師も大家となればグルとして見られる。
ジョーティシュ・グル」という言葉がそれを表す。

占星術師は、テレビ、雑誌、新聞、インターネット、あらゆるメディアに毎日登場する。
その点は日本と同じである。

Guru_on_TV

しかしひとつ大きく違うところがある。

日本では、占星術は「占(うらな)い」のひとつである。
「当たるも八卦、当たらぬも八卦」
「あたったらラッキー、はずれたら残念でしたー」
宝くじのようなものだ。
はずれたからといって大騒ぎするのは大人げない。
そうやって受け流すという暗黙知が、安全弁として機能する社会である、と思う。
お気軽なエンターテイメントとして受け止められている。

しかしインドは事情が少し違う。

インド人の意識には、伝統的に占星術を信じるというサンスカーラが根付いている。
そもそも日本人とは染色体が違うのである。

たしかに若者を中心に占星術なんて迷信だという人も増えている。
「えっ、日本からわざわざ占星術を学びに来たの~」
占星術なんて信じているの~」
インドでそういわれることがある。
でも、彼らはそういって私をバカにするというよりも、ジョーティシュを見直して誇らしげに思っているところもあったりする。

そういうメンタリティゆえに、占星術の被害も甚大だ。
インドの人々と占星術との不調和音が生み出す不幸は数知れない。
どちらも愛するShr.K.N.ラオにとって、憂(うれ)いは深い。

インドでは、このようにグル占星術師も日常生活の景色の一部なのだ。
だから、アメリカと違ってグルであるだけでは十分ではない。
グルを演じたとしても景色に埋没するだけである。
目立つためのプラス・アルファが必要となる。
それは、グレートネスだったり、オリジナリティーだったりする。

そんなインドで、昔からShr.K.N.ラオを悩ませていることがある。
それは、plaziarizm(プラジィアリズム)、すなわちパクリである。

占星術季刊誌『ジャーナル・オブ・アストロジー』に最新研究の成果を発表する。
するとその内容が、あたかも自分のオリジナルであるかのようにだれかに盗用され、本として出版される。
しかし、パクられる方が悪い。
それも、インドである。

みなさんは、ここ数年バールティヤ・ヴィッディヤ・バワンが発行する書籍はだんだん薄くなってきていることに気づいているだろうか。
グループ研究の成果が発表されてから成書となるまでの期間が短縮されてきているからだ。

いままでだと、ある程度研究の成果が蓄積されてから満を持して重厚な本を出版する。
最近は、研究成果の発表と同時あるいはまもなくして本となる。
そういうパターンが増えてきた。
それには資金が必要だが、資金を裏付けるためのNPOの活動も活発化している。

その理由のひとつが、パクリ対策なのだ。
早く出版することでパクリ本を出にくくする。

もちろん、自分で本を書くよりもできるだけ多くの生徒や先生たちに本を書かせたい
そうやって弟子たちの成長を促したい。
そういうShr.K.N.ラオの思いもある。
2000年に病床に伏せたとき、そう決意した
表現はちと違うが、そういうことがShr.K.N.ラオの本に書いてあった。

しかし、パクリ対策であることも、私は直接Shr.K.N.ラオから聞いている。

Shr.K.N.ラオの書籍には、あえて書かないでいることも少なくない。
リサーチ・コースの内容も、必ずしもすべてが公表されるわけではない。

それは、そういった知見悪用する人たちがいるからだと聞いたことがある。

悪用とは、それを自分のオリジナルであるとして集客につなげることも含まれるだろうし、その知見を鑑定で使い、相談者を陥れることも含まれるだろう。

このように、インドにおける占星術詐欺の特徴のひとつはパクリ・ビジネスにある。

(アメリカ、インドとつづいて次回は…)
S.Shimizu
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