集中力

清水がデリーで書いています。

Shr.K.N.ラオは、ここのところ徹夜が続いている。
明日からはじまるマンデーン占星術国際会議(開催地ヴィシャーカパトナム)の準備をしている。

片足どころか、両足、いや、もうすでに腰まで棺桶につっこんでいるんだから、そういう無理はなさらないでくださいよ~。
そう思うのだが、もちろん口に出して言えない。

学生時代、私の指導教官はよくひとり研究室に残って徹夜をしていた。
教授はその分野では第一人者だった。
いつも他大学との共同研究をリードしていた。
外国での受けもよかった。
毎週木曜にある研究会は、午後3時から始まって夜8時、9時に及ぶことがよくあった。

だから、毎日のようにコメンテーターとしてテレビに出て文化人ぶっている大学教授を見ると、すこしうんざりする。

なにを言いたいのかというと、
優れた人たちには共通点があって、
それは集中力があるってことだ。
 
イギリスがインドに学校教育を持ち込む前、インドにまだパランパラ(相承)の伝統が残っていた。

ブラフミン(バラモン)の子弟の多くは師匠に弟子入りしてヴェーダや占星術を学んだ。
人生におけるこの時期を、ブラフマ・チャリア(学生期)という。

江戸時代の寺子屋のようなものである。

師匠は、新米の弟子にすぐに教えることはしなかった。
まずは師匠の身の回りの世話をさせた。
そして、集中力が高まるのを待った。

おもしろいエピソードがいろいろ残っている。
たとえば、こんなの。

ある弟子は、なにをさせてもいつもうわのそらだった。
師匠の話をぜんぜん聞いていなかった。

師匠 「どうしたんだ? ぜんぜん集中できていないじゃないか」
弟子 「家で飼っている牛のことが気になってしょうがないんです」
師匠 「だったら私のことはいいから、お前はその牛のことばかり考えていなさい」

しばらくたって、その弟子が玄関先で叫んでいた。

弟子 「先生、たいへんです!玄関が狭くて、私の角がつっかえて外にでることができません!」
師匠 「よし、お前はもう準備ができた」

弟子は牛に集中するあまり、自分が牛であると思いこんでしまったのだ。
これは集中力、とくにプラティヤーハラ(一点集中)の達成に関するエピソードだ。
アシュタンガヨーガでいえば、5番目の段階に相当するステージだ。

‥‥‥‥‥

ここからはなしはがらっと変わる。

管政権のチキン外交ぶりが話題になっている。
もちろん、公務執行妨害で逮捕拘留中の中国籍の船長を中国の圧力にあっさりと屈して釈放したことをいっている。

これを見て、管首相が再選されたときのホロスコープよりも改造内閣の認証式のホロスコープの方がよく出ているんじゃないかと私は思った。
それについては、いずれエントリを立てようと思っている。

しかしここではそれとはちょっと違う視点で考えてみる。

僕は管首相の集中力のなさを前から危惧していた。
それがやっぱりこうい結果を招いたんではないかと思っている。

管首相といえば、議会でよく寝ている姿を思い浮かべる。

夜遅くまで政務に追われて疲れているのかも知れない。
体調不良なのかもしれない。
しかし、それにしても、よく寝る国会議員だという印象がある。

これは、集中力がかなり欠如していることを表す。

経験不足も指摘される。
でも、経験が豊富になるまで待っていたら、経験が豊富だがすでにボケ始めて集中力のない政治家でいっぱいになるだけだ。
老害(ろうがい)で苦しむいまの自民党がそうだ。

今の時代、誰がやったって未経験ゾーンで重大な決断をこなさなければならない。

このようなとき、集中力がなければ致命的だ。
はっきりいってやってられない。

集中力がなければ、状況の変化に理解が追いつかない。
複数の代替案のそれぞれについて、沈思・熟考・吟味することなんか無理中の無理。
要人との交渉に臨むにしても、その前に入念な準備をすることもできない。
結果は初めから見えている。

早晩、担当大臣に「よきに計らえ」というしかない。
担当大臣も、「よきに計らえ」といって官僚にまかせているんじゃないか。

あるいは、今回のようにパニクってろくに考えもせず指揮権をふりまわして政治的決着に持ち込む。
そのくせ、沖縄地方検事の判断であるとして指揮権発動に伴う政治責任をとろうとしない。

どうせそんな感じなんだろう。
容易に想像できる。

それじゃ志村けんのバカ殿といっしょじゃないか。
でも、リーダーに集中力がないと、そうなるしかない。

集中力のないリーダーに、部下(大臣、政務官、官僚)に仕事を丸投げをするなといっても、しょせん無理なはなしだ。
犬にほえるなというのに等しい。

結局、そういう政党・政治家を選んだのは国民だし、被害を被るのも国民だ。
ならば、これはやはり日本国民の問題である。

これは日本全体にいえるんだけど、日本人の集中力がかなり落ちてきている。
それが巡りめぐってこういう結果になっているといえないこともない。

つまりそれほど根の深い、構造的な問題なのだ。

戦後ずっと日本は良きにつけ悪しきにつけてアメリカの影響を強く受けてきた。
平成に入ってからはいわゆる日本のアメリカナイゼーションはほぼ完成に域に入っている。
そう指摘する人は少なくない。

それにはけっこう私は同感するところがある。

優れたリーダが政治の分野で育ってこなかったのも、よくいわれているように、アメリカが適宜影響力を発揮してつぶしてきたからかも知れない。

田中角栄の事件がその典型だ。

あの事件を見て日本の政治家は震え上がった。
それ以来、アメリカにたてつこうとする政治家はいなくなった。
そうして、日本の政治と文化における紊乱(びんらん)は、いまや頂点に達しようとしている。
めでたし、めでたし。。。

日本のアメリカ化と国民の集中力の低下(痴呆化)の関係については、あえてここで議論しない。
けど、いいたいことは何となくわかりますよね。

そろそろアメリカから独立しないと…。

今回の中国との軋轢は、今後さらに悪化するだろう。
頼みの綱とするアメリカは、まったくではないが、あまりあてにはならないだろう。

結局日本人は、米中にはさまれてパーパカルタリ・ヨーガという身動きのとれない状態に我が身(日本)がおかれていることを、遅まきながら知るに及んで茫然自失する。
事態はきわめて深刻ですでに遅きに失しているのだが、しかしそれは、親米でも親中でもない第3の道を模索し始める契機となる。

‥‥‥‥‥

というわけで、集中力がないと占星術の勉強がなかなか進まないだけじゃなくて、国も滅んじゃうよー、というこわーい(?)おはなしでした。

私も、これからマンデーン占星術国際会議の開催地、ヴィシャーカパトナム(アンドラプラデーシュ州)に行ってくるです。
S.Shimizu
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