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占星術過 ~Menace of Astrology~

昨年12月25日から今月の9日まで南インドのコーチンというところにいました。
アーユルヴェーダの病院で療養生活を送っていました。

いつものことなのですが、
せっかく暖かいところで、のんびりできるんだから、
あれもこれもやってやってやろうと思って、
積ん読状態だった書籍や、未整理の講義録ノートなど、
このときも気張って、たくさん病院に持ち込みました。

しかし、これもいつものことなんですが、
やっぱりこういうときは、
せいぜい二つくらいのことにしか専念できませんでした。

そのひとつが読書でした。

今回は、Shr.K.N.ラオの著書を2冊読み切りました。

その一冊が、"Yogini, Destiy and the Wheel of Time"でした。
この本を読むのは、今回で3回目でしたが、
Shr.K.N.ラオの本はすべて、毎回、読むたびに発見があります。

読者の意識の状態や占星術のレベルに応じて、
必ずなにかが引っかかってくるものがあります。
みなさんも試してみて下さい。

さて、Shr.K.N.ラオはこれまでに占星術をやめようとしたことが何度かあります。
その都度、グルやヨギーに説得され、いまこうやって占星術を続けています。

ところで、なぜShr.K.N.ラオが占星術をやめようとしたのでしょうか?

結論からいえば、Shr.K.N.ラオは、
占星術は人類にとって災い(メナス、menace)である
といいます。

これは、とてもショッキングな表現です。
しかし、そこにShr.K.N.ラオの葛藤がよく表われています。

同書の第23章の冒頭の部分を紹介しておきましょう。
 
23章 まだ占星術が輝いていたとき

ヨギー(ヨガ行者)に比べると、占星術家なんて霞んで見える。

実際、彼らは社会にとって災いだ。
どの時代も、どの国も、占星術を禁止することができなかった。

唯一の例外は、共産主義国だった。
しかし、共産主義は崩壊してすでにない。

占星術過に対して各国政府が講じることのできる最善の策はなにか?

それは、占星術をまじめな科目とみなし、学問として取り組むこと。
そして、免許制度を導入することである。
つまり、占星術を職業とする場合、免許の取得を義務づけることである。

社会にとって有害な占星術家には、
20年の懲役や財産の没収も含めた罰則が科せられなければならない。

職業占星術家には、このように厳格な免許制度の網がかけられなければならない。
占星術の災いは決してなくなることがないのだから。

私が行うまでは、占星術において、まじめに研究が行われたことがなかった。
私が考案するまでは、占星術の有効な教授方法もなかった。

もちろん、私の方法は改善される余地がまだまだある。
それは、学術的素養のある占星術家が、
その時々においてふさわしいかたちで行っていくだろう。

もちろん、それはけっしてなまやさしいことではない。
それは、戦いとなるだろう。

なぜなら、印刷技術やマスメディアの発達にともない、
占星術はどんどん誤用・乱用され、広がっていくだろうから。

私は占星術の災いが、燎原の炎のように広がっていくのを見てきた。

インドでは、偽占星術家が政局を予言しては、たくみに人々を欺してきた。
アメリカでは、自分こそカウンセリングを受けて心の病を克服しなければならないような人たちが、占星術を使って人様のカウンセリングを行っていた。

それを止める術(すべ)はない。

私は、占星術家のなかからアカデミックなグループを組織し
その過程で、世界で最大規模の占星術学校を運営してきた。

世界は、いまだ真に偉大な占星術家を輩出したためしがない。

しかしその一方でどこの社会でも、サイキック、占い師、オカルト師、占星学研究家は輩出され続けている。

彼らの特徴は、基本的に勉強不足である。
なのに、自己評価が高く、プライドも高く、モラルは低く、自己宣伝に余念がない。
それでいて、占星術の雑誌を編集していたり、本を執筆していたりさえする。

私はこれまで、崇高な神性を備えた、偉大なヨギーに会ってきた。
しかし、ヨギーの片鱗すら備えた占星術家に会ったためしがない。

占星術家の多くは商売人であり、危険な詐欺師ばかりだった。

しかし占星術は、少なくとも私が学んできた占星術は、
多くの検証の積み重ねによって有効性が実証されおり、
それを使って人々の人生や運命に隠された多くの秘密を
解き明かすことができる。

人類のための、人類による、最良の学問であり、そうあり続けるだろう。

私は、これまでも多くの優れた占星術家を見てきた。

しかし、聖仙(リシ)の伝統に照らしてみると、
真に偉大な占星術家の名に値する占星術家はひとりもいない。

私は、インドで他のだれよりも占星術の復活に取り組んできた。
その間、数千人の占星術家と接してきた。

彼らの印象について、私はここで述べる必要がある。

なぜなら、そうしなければ、私から占星術を真剣に学んできた人たちの
誹(そし)りを買うことになるからだ。
占星術を学問として真剣に学ぶ彼らには、私にそれを要求する権利がある。

私は、40年のあいだに、5000人以の占星術家と接してきた。

彼らの方法を研究し、彼らを理解し、評価した結果、
彼らの知識は不完全であり、けっして満足できるものではなかった。

したがって私の結論はこうなる。

占星術という広大な分野のうち、一生のうちマスターできるのは、そのほんの一部でしかない。
その点に関していえば、私も、私が批判する人たちを超えることができているとは、いえない。


原文: "Yogini, Destiy and the Wheel of Time"からの引用

23 Astrology when it is an illumination

Compared to Yogis, I have found astrologers most unimpressive, in fact a menace to human society. In no age, in no country, except the commnist governments, which have collapsed, could astrology be banned.

The best that the world governments can do is to recognize astrology as a serious subject of academic pursuit and as a licensed profession.

Serious penalties, including twenty years' imprisonment, confistication of property and the like should be imposed on professional astrologers, who cause more anguish than joy to human society.

There must be strict licensing of the profession. Since the menace of astrology cannot be eliminated, it must be contained.

There is no serious research in astrology, no sound teaching methods existed until I evolved some, which however, will have to be refined more and more as time goes by, by generation of academic minded astrologers. It is a hard battle, which has to be fought because in the days of the printing press and mass media, the abusable knowledge called astrology will spread more and more.

I have seen the menace of astrology spreading; in India, in the gimmickry that passes for political predictions by quacks, and in the USA I found persons, who needed counselling themselves to help them overcome their own bouts of insanity, taking upon themselves the roles of counsellers through astrology.

Nothing can be done to stop it as I know, having fathered the academic group among astrologers in India and, in the process, starting and running the largest school of astology in the world. The world will never really have great astrologers, but there will be, in any human society, psychics, fortune tellers and practitioners of occult and astrological sciences, with very imperfect knowledge, high claims, loud boast, low morals but high profile, who will be editors of astrological journals, and even writers of books.

I have met great Yogis, who have been of great divine inspiration, but have met no astrologer, who could be called even a tiny fragment of a Yogi. They are mercenaries pure and simple or dangerous mountebanks.

Yet astrology, which I studied, to test its effectiveness and usefulness, reveals so much about human life and destiny. It is and will always remain the best subject than man can study to help man. I have been impressed by many astrologers, but none can be ranked by me as truly and technically great in the rishi tradition of the country. I have been involved in the academic movement to revive astrology more than anyone else in India. In so doing, I had to ineract with astrologers, in thousands.

Let me give my impressions about them, since I will be held guilty of not giving my assessment, by those very students who have learnt the subject and will have a right to question my sincerity in getting astrology established as a serious academic discipline.

I can give my assessment about some of them only though I have met over five thousand astrologers in nearly four decades, studies their methods, understood them, assessed them, and finally got thoroughly dissatisfied with their imperfect knowledge. Naturaly I came to the conclusion that in a lifetime as astrologer can acquire good command only in a certain branch of this magnificent science, and that I cannot be better than those whom I criticize.

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No title

清水先生、こんにちは。

昨年、大阪セミナーに初参加した者です。
後ろの方の席から何度か質問しましたが、未熟な質問にも、丁寧に対応してくださりありがとうございました。


年明けのブログで、「上達するためにはBVBから出版された英語の書籍を読むこと」と書いてあったのですが、英語がとっても苦手なので、「まずは基本のおさらいをしよう」と思って、ちょうど、手元にあるラオ先生の本(日本語)を読み返していました。


数年前に購入して以来、何度か読み返しているのですが、先生が仰るとおり、自分の変化に応じて、発見や気付きが異なってきているので、感動すると同時に「一生勉強だなぁ~」と改めて思い、またその奥深さにワクワクしている今日この頃です。

英語の書籍・・・亀の歩みですが、とりあえずは大阪セミナーで購入した雑誌を読み進めようと思います。
いつ次の本へ手を出せれるのやら・・・


タイムリーな内容だったので、思わず投稿してしまいました。
大したコメントじゃなくて、失礼しました。
今後もブログ、楽しみにしています。
それでは、失礼します。

ヒント

 
まことさん、コメントありがとうございます。

昨年のセミナーでは、お世話になりました。

Shr.K.N.ラオの書籍もそうですし、授業も実はそうなのですが、
なにかをほのめかすにとどめるだけのことがよくあります。

それに気がつかない人もいるし、気がつく人もいます。
気がつかなくても、何度か読み返すうちに気づくこともあるでしょう。

昨日の授業でShr.K.N.ラオがほのめかしたヒントは、けっこうすごかった。

ナヴァムシャが重要だと古典に書かれたあるし、Shr.K.N.ラオも常々いってきたけど
ナヴァムシャの具体的な使い方については自分のなかではいまひとつでした。

BVBの先生方も、ナヴァムシャについては各自独自の考え方をもっていて、統一されたようなものがないような気がしていました。
(ナヴァムシャではアスペクトを見ないという先生もいますしね)

しかしこの、ナヴァムシャの使い方に関するヒントを聞いて、
なぜナヴァムシャが重要なのかがわったような気がしました。

もちろん、そのヒントを自分のものにできるかどうかは、
そのヒントについて各自がその後どれだけ検証を重ねるか
に任されています。

そういう意味では、ヒントというのは、
目の前に吊るされたニンジン
のようなものかも知れません。

そんな、ヒント → 努力 → 結果 のプロセスが
ここではうまく働いているような気がします。

あと、Shr.K.N.ラオがヒントをほのめかすだけにとどめるもうひとつの理由は、
今回と次回のエントリに書いてあるとおりだと思います。

自身が占星術家でありながら、
こういうことをあからさまにいうShr.K.N.ラオは、
はっきりいってインド占星術家のほとんどを
敵にまわしていますよねー。

それをここでおおっぴらに紹介する私についても、
反発を感じていらっしゃる人も少なからずいらっしゃることでしょう。

アメリカでは、ボーン・ポールとごく一部のラオ親派以外は
すべてアンチ・ラオのようです。

だからこそかえって、
「(とくにアメリカについては)Shr.K.N.ラオのいうとおりなんだろうなぁ」
と私は納得するんですけどね。

やはり、どこかで線引きが必要なのでしょうねぇ。

インド占星術に限らず、どの占術もそうかもしれませんが、
学び始めてしばらくたつと、いずれ分岐点にたどり着きます。

アカデミックポップか?

日本にはいままでおもにポップしかかなかった(ない)ので、
最初からその道を選択するしかなかったのかも知れません。

(もちろん、ポップの路線を歩みながらも、アカデミックな部分を大切にしている貴重な占術家もいらっしゃいます)

でも、ま、おおざっぱにはこの2つの道があります。

私は、インド占星術を学び始めてまだ間もない人に対して、
まずこの2つの道があることを知ってもらいたかった。

そして、彼らがその岐路に立つ前に
こころの準備がじゅうぶんできるよう、
Shr.K.N.ラオの考え方の一端を紹介させてもらっています。

逆に、すでにポップ路線ばく進中の方々にとって、
おそらく私の一連のエントリは耳障りな騒音でしかなく、
なんのメッセージ性を持たないであろうことは
よく承知しております。

そんだけです。

6月にもセミナーを企画しています。
ひょっとしたら、ラオ先生が来日するかも知れません。

とくに、アカデミックな道を進みたいと思っている方を歓迎します。

今年もセミナー会場でまことさんにお会いできることを
楽しみにしております。

すでに準備を始めております。
マルマヨーガのセミナーも企画しております。
期待していて下さい。

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