アメリカのラーフ期 ~その1~

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オリンピックで眠れない夜が続きますね。

さて、アメリカは大統領選挙で大きく揺れています。

民主党選出のヒラリー・クリントンと共和党選出のドナルド・トランプの決戦を11月に控え、お互いの暴露合戦が激しくなってきています。

たとえば

・トランプ氏の選対責任者がウクライナ前政権から巨額現金を受領していた?
・ヒラリー氏がISISに武器を売却していた?

しかしここへきてトランプの戦没者遺族への侮辱発言が大きく効いてきました。

イスタブリッシュメントたちはトランプの不支持を表明していますが、身内の共和党内からも批判が噴出しています。

2016年アメリカ大統領選挙は、どちらがより不人気かを争う前代未聞の大統領選挙として歴史に名を残すだろうと言われています。

アメリカは大きな曲がり角にさしかかっているようです。

ヒラリーとトランプのホロスコープはいずれ扱うとして、2018年から始まるアメリカのラーフ期について論じておきましょう。

▶………

わたしのジョーティ・シュグル、KNラオが特定したアメリカの建国図によれば、アメリカは2018年10月から18年間のラーフ期が始まります。

アメリカ建国図とラーフ期

1776年に独立したアメリカ合衆国は、すでにラーフ期を2度経験しています。

ひとつ前のラーフ期(1898.10~1916.10)はどうだったのでしょうか?
 
▶……

2度目のラーフ期がめぐってきたのは1898年10月でした。

まず押さえておきたいのは、1890年代までにアメリカは西部開拓を完了していたという時代背景です。
1890年の国勢調査は、「フロンティアは点在するに過ぎない」と宣言し、大陸内膨張の限界が意識されました。
そしてアメリカは経済市場を海外に求めて領土拡張を始めました。

ラーフ期が始まる直前の1898年4月、アメリカはスペインと戦争(米西戦争)し、プエルトリコ、キューバ、フィリピンを保護下におきました。
同年8月12日、アメリカはハワイを併合しました。
翌1899年、中国に門戸開放を迫りました。

1897年から1900年にかけて、フィリピンを領有してヨーロッパ列強と同様に植民地主義を進めるべきと主張する「帝国主義者」と、各国の独立を支持してアメリカは他国への干渉を控えるべきと主張する「反帝国主義者」との間で、アメリカの世論は二分されていました。
いわゆる「帝国主義論争」です。
結局、「帝国主義者」が勝利して共和党のマッキンリーが大統領(任期1897~1901年)となり、フィリピン、ハワイなどの併合を進めていきました。

そしてセオドア・ルーズベルト大統領(任期1901~09年)が登場し、たとえば1903年にはコロンビア政府の反対を押し切ってパナマ運河の建設を強行するためにパナマを独立させました。
セオドア・ルーズベルトの強行政策は「棍棒外交」と呼ばれました。

また1890年代にアメリカは大量の移民を受け入れています。

このように、120年前のラーフ期は、アメリカが積極的に海外に市場を求めて膨張しはじめたアメリカの帝国主義始動の時期と重なります。

*国際政治アナリスト・伊藤貫によれば、1890年代のアメリカ外交文書を読んでみると、英国に代わってアメリカがこれから覇権国家になるという鮮明な意志が随所に現れていたという。そしてアメリカはまず英国海軍をカリブ海から追い出し、そしてスペインと戦争して中南米を支配下に置いていった。

▶……

ところで、ラーフが「排他的・偏狭」な蟹座にあるのでアメリカのラーフ期は「内向き」の時期である…と解釈する人も一部におられるようです。

どうもそのセオリーは、上記の反例が示すように、少なくとも120年前のラーフ期にはあてはまらないようです。

▶……

そもそも蟹座に「排他的・偏狭」「内向き」という意味があるのでしょうか?
そういう解釈はどこから来たのでしょうか?

この際、ちょっと踏み込んで調べてみようと思いました。

まずインド占星術の古典から見ていきましょう。

Brihat Parashara Hora Shastra

"The sign Cancer is pale red in hue, resides in forests, brahmin by caste and is strong in the night. It is many footed and has a bulky body; it is Sattwika in disposition, its element is water; it rises with its back and the Moon has been regarded as its Lord." Chapter4

「ブラーフミン(バラモン階級)で性質はサットヴァである…」とあるので、「偏狭」「排他的」とはほど遠い性質です。

Jataka Bharnam

"THE EFFECTS OF BIRTH IN THE CANCER ASCENDANT: The native at the time of whose birth there happenes to be the Cancer Ascendant loves to eat sweetish food, serves the saintly persons, is humble and meek, fickle, fond of sporting in water, takes only the real substance of things and is extremely generous." Chapter 13

これはアセンダントが蟹座の性格ですが、蟹座の性質として理解していでしょう。
「謙虚で従順…たいへん寛容である」
とあります。「排他的・偏狭」「内向き」とは正反対です。

Phaladeepika

"If Cancer rises or is occupied by Moon at birth, the native is under the thumb of women or is controlled by women. He has a heavy throat and is endowed with good friends. The native has a number of houses and is rich and he has a big waist. He is not tall. He is intelligent, fond of swimming and playing in water. He talks fast. He has few children(few sons). At times he is cunning (In the original sloka, the word 'vakra' is used, literally it means distorted or twisted body but here cunning is more appropriate)." Chapter 9

ファラディーピカでは、おもに月の象意が蟹座の象意として表現されているようです。
蟹座が「排他的・偏狭」「内向き」であると読める内容はすくなくとも見当たりません。

う~ん、隔たりは大きいですねぇ~。

▶……

そこで西洋占星術に詳しい友人に問い合わせてみました。

西洋占星術にはおもにモダン古典という二つの大きな潮流があり、モダンにおける蟹座の象意としては次のようなものがあるようです。

「感情豊か、身内びいき、親身に面倒を見る、家庭的、自分の所属する団体である家庭、会社、祖国に献身的、外界に対する敏感な反応」

「排他的・偏狭」「内向き」は、このような象意から導き出された(拡大)解釈なんでしょうかね。

古典では、そもそも星座(サイン)での性格判断というのはあまり記述がなく、内容も数行で簡潔にまとめられていて、

「場所、病気、国、体形、形状」

といったどちらかというとホラリーで使う記述が多く、性格・性質は惑星で判断する傾向が強いそうです。

▶……

ところで

西洋占星術においてモダン古典の差が生じた背景には、20世紀以降のマスメディアによる占星術の大衆化、とくに太陽12星座占いの登場・発展があったようです。

マスメディアにおける占いは、もともと個別的だった占星術を広く万人にあてはめていこうというところから、太陽が12サインのどこにあるかということだけで占います。
結果として、サイン重視になっていってしまったようです。

つまり

マスメディアによる占星術の大衆化の過程で古典モダンとの間に大きな隔たりが生じてしまったようです。

古典モダンのどっちがすぐれているのかという優劣に関する議論は別として、
問題は、はたしてそれをインド占星術に適用することの妥当性はどこにあるのか? 
であります。

▶……

インド占星術の場合、古典の位置づけは「出発点」です。

古典から大きく離れるような自由かつ大胆な解釈はもちろん可能です。
しかし常に古典(とくにBPHS)を出発点とする。
そういう不文律があります。

そして道に迷ったら、古典に戻ってやりなおせばいい。
古典は、そういう存在です。

ですから

根拠の乏しい、あるいは出所不明の不確かな知識を根拠に解釈を積み上げていくことにはとても慎重なところがあります。
うまくいかなくなったとき、どこに戻って出直せばいいのかわからなくなるからです。

もっといえば

そういうことをしないと使えないというわけでもなく、さいわいにしてインド占星術は、そういうリスクをわざわざ冒さなくても十分に使える占術なのです。

▶……

さて、次の議論は、

120年前のラーフ期とこれから迎えるラーフ期は同じなのか?

であります。

答えは

「いいえ、違います」

理由は

①そもそも時代背景(カーラ)が違う、
②120年前のラーフ期と2018年から始まるラーフ期における他のダシャーも同じではない、
③トランジットも違う

からです。

詳しい議論は、次回以降に譲ります。

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